看護学生のための奨学金制度について

看護奨学金マップでは、病院・クリニックなどの医療機関や施設が独自に用意している奨学金の情報を掲載していますが、看護学生が利用できる奨学金はまだまだ他にもあります。

ここでは看護学生が利用できる様々な奨学金制度について解説します。

奨学金の種類

看護学生が利用できる奨学金には主に次の4種類があります。

・医療機関や施設が独自に用意している奨学金
・各都道府県・市町村の『看護師等修学資金貸与事業』
・日本看護協会の奨学金
・日本学生支援機構(JASSO)の奨学金

利用する奨学金によって、卒業後数年間の就職先が決まってしまうこともありますので、それぞれの奨学金の特徴をよく理解して選択しましょう。

次にそれぞれの奨学金について解説します。

医療機関や施設が独自に用意している奨学金

看護奨学金マップで紹介している奨学金がこちらのタイプです。

各地の病院・クリニックをはじめとする医療機関や介護施設が、将来有望な看護師を育成するために資金援助を行うものですが、実際のところは看護師不足の状況を改善するために、看護師確保のための手段として行われていることが多いと言えるでしょう。

医療機関や各地の医師会が運営している看護学校の奨学金制度もこのタイプに含まれます。

奨学金の額

医療機関・施設によって様々ですが月額5万円程度のところが多いでしょう。
中には月額10~12万円といった高額な奨学金を貸与してくれる医療機関・施設もあります。
また学費相当分だけでなく、生活援助という名目で学費相当額に上乗せして貸与してくれることも少なくありません。

貸与条件

このタイプの奨学金の多くは、看護学校卒業後に、奨学金を借りた医療機関・施設に就職することが前提になっています。
そして、数年間の勤務をすることで貸与を受けた奨学金の返済義務が免除、または減額されることが殆どです(これをお礼奉公と言います)。
つまり、形式としては貸与という形になっていますが、実際のところは学校卒業後に勤務することを条件に、タダで奨学金をもらえる、学費を出してもらえるというイメージになります。
また通常、他の奨学金制度と併用することもできますので、資金に余裕の無い学生にはとても魅力的な制度と言えます。

備考

卒業後の就職先が限定されるため、貸与を受ける医療機関・施設をよく選ぶ必要がありますが、金銭的メリットが大きくよく利用されるタイプの奨学金です。
通勤が不便な地方や、仕事がハードであるなどの理由で人気の無い医療機関・施設ほど、奨学金としては好条件になる傾向があります。
なお、もし学校を卒業できなかったり、奨学金を借りた医療機関・施設に就職しなかった場合は返済しなければなりません。

迷ったらひとまず借りておくのも手

実際問題、看護学校に入学したばかりの学生にとって、将来の就職先も一緒に決めてしまうのは勇気が要ることです。

奨学金を借りてしまうと進路が縛られてしまう・・・
もしイジメられたり大変な職場だったらどうしよう?

そんな不安を感じる方もいらっしゃるかもしれません。

しかし迷ったらひとまず借りておくというのも一つの手です。

いざ実際に働き始めた時に、職場環境に耐えられなかったら?

そのときは奨学金を返済して退職すれば良いのです。

もちろん、自身の将来性に期待し、奨学金を貸してくれた勤務先への御恩を忘れてはいけませんが、どうしても自分に合わない職場であったのなら、奨学金を返済して退職することもやむを得ないでしょう。

各都道府県・市町村の『看護師等修学資金貸与事業』

各都道府県・市町村が看護師確保のために行っている『看護師等修学資金貸与事業』という制度による奨学金です。

奨学金の額

各都道府県・市町村によって異なりますが、月額2万円~3万円程度です。

貸与条件

学校を卒業後に奨学金を借りた各都道府県・市町村内の指定施設(病院や施設)に勤めることが前提です。
卒業後、指定施設で一定期間(多くは5年以上)働けば返済を免除してもらうことが出来ます。

備考

全ての都道府県・市町村で行われている制度ではないため、住んでいる地域によっては利用できません。
また各年度の予算内で行われている事業のため、予算が底を付くとその年度は募集停止となることがあります。
詳しくは各自治体にお問い合わせください。

このタイプの奨学金は就職先がある程度縛られますが、条件を満たせば返済が免除されますので利用できる場合は是非利用したい制度です。

通常、4月頃に看護学校を通して申し込みます。
例年、申し込み希望者が多い傾向にあり、成績や経済事情などに基づいて学校内で選考が行われることもあるようですので、利用を検討される場合は学校にも事前に相談しておくと良いでしょう。

なお、看護学校を卒業できなかったり、都道府県・市町村内の指定施設に就職しなかった場合は返済しなければなりません。

日本看護協会の奨学金

日本看護協会では貸与型と給付型の奨学金が複数用意されています。

2017年10月現在、以下の奨学金制度があります。

貸与型奨学金

・看護師学校養成所2年課程(通信制)進学者に対する奨学金
 →看護師学校養成所2年課程(通信制)に在籍する学生を対象に年額36万円、または48万円を無利息で貸与。他の奨学金との併用も可能。

・国際看護師協会東京大会記念奨学金
 →大学院で保健看護に関する課程を学ぶ看護師等を対象に年額180万円以内を無利息で貸与。他の奨学金との併用は不可。

・石橋美和子がん看護CNS奨学金
 →臨床あるいは地域看護の分野で実務経験があり、大学院でがん看護専門看護師教育課程等に在籍し、がん看護専門看護師登録後に保健医療分野の現場で2年以上就業する意思のある看護職に対し、総額180万円以内を無利息で貸与。他の奨学金との併用は不可。

・認定看護師教育課程奨学金
 →看護師等の免許を有し、認定看護師教育課程に在籍し、認定看護師教育課程修了後、保健医療分野の現場に2年以上就業する意思がある看護職に対し、総額120万円以内を無利息で貸与。他の奨学金との併用は不可。

給付型奨学金

・高橋美智大学院教育(看護管理)奨学金
 →看護管理に関する教育研究あるいは臨床を通して看護の実践に貢献でき、看護系大学大学院において看護管理を専攻している看護師等に対し、60万円を一括給付。

・小倉一春大学院教育(国際看護等)奨学金
 →2018年度より創設予定。

詳しくは日本看護協会のホームページでご確認ください。

日本学生支援機構(JASSO)の奨学金

日本学生支援機構(JASSO)の奨学金は、大学・短期大学・高等専門学校・専修学校(専門課程)および大学院で学ぶ人を対象とした国が実施する奨学金で、「貸与型」と「給付型」の2種類の奨学金があります。

※准看護師養成学校は高等課程に該当するため日本学生支援機構の奨学金は利用出来ません。

日本学生支援機構の奨学金は、審査時に家計や学力などが詳しく調査されるという特徴があります。

貸与型奨学金

貸与型奨学金は無利息の「第一種奨学金」と有利息の「第二種奨学金」の2種類があります。
無利息の「第一種奨学金」の方が審査が厳しくなります。

在籍する学校の種類(大学院~高等専門学校)や通学手段(自宅通学か自宅外通学か)によって貸与額が異なり、月額10,000円~122,000円と幅があります(2017年現在)。

給付型奨学金

学業優秀で経済的に困難な状況にある低所得家庭の学生に対して、大学等への進学を後押しすることを目的とした奨学金です。
利用条件として、住民税非課税世帯または生活保護受給世帯の人、あるいは社会的養護を必要とする人といった家庭環境に関する条件が厳しいため、利用できる人は限られます。
申込みは在学している高等学校等の奨学金窓口を通して行われていますので、利用を検討される場合はまず在学している学校へ相談してみましょう。

詳しくは日本学生支援機構(JASSO)のホームページでご確認ください。

奨学金だけでなく給付金も活用しよう

これまで看護学生のための奨学金制度を見てきましたが、奨学金の他にも看護学生のための修学支援として、公的機関の給付金制度があります。

各種給付金については次のサイトなどを参考にしてください。